御主人様・旦那様対談

この対談が行われたのは1999年12月です。
よって今とはメイドさん業界の状況が変わっていたりしますが、
気にしないでください。




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どもーこんばんわ、遅刻しました!

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お待ちしてました。(笑)

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ごめーん、まったあ?(笑)

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ううん、ぜんぜん☆ (米寿)
……サムいっす。(笑)
それではそろそろ始めますか。

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そうっすね、おばかな話はこれくらいにして(笑)。
では、何から始めましょうか・・・。

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さっそくですけど、とーめさんがメイドさんに目覚めたきっかけは?

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そうですね、やはり殻の中の小鳥じゃないでしょうか。
その前に、一番はじめに自分で買ったGLO・RI・Aの影響もあるかもしれません。

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なるほど。そのときもう既に「ご主人様派」だったんですか?

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えーとですね、実は「御主人様」とか「旦那様」とかの呼び方を意識したのは最近なのですよ。
酒井さんのHPを拝見してから呼び方にもポリシーがあるんだということに気が付いたというような。

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うーん、なるほど。つまり特に呼び方にはこだわってはいなかったんですね。

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そうです。気が付いたら「御主人様」派だったという感じで。
酒井さんには何かきっかけみたいなものはなかったんですか?

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きっかけですか……はじめて『小鳥』をやったころはまだメイドさんに目覚めていなかったし……。(笑)
私の場合は、メイドさんに目覚めた劇的なきっかけというのはなかったように思います。

なんか真綿で首を絞められるようにじわじわとメイドさんにハマっていった感じです。(笑)
自分が何故旦那様派になったのかというと、メイドさんものでない調教エロゲーってほとんど「ご主人様」ですよね。

なんかそのイメージがあってイヤだったのです。

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つまり、昨今のメイドさんゲーは奴隷ではないのですよ、
メイドさんはメイドさんなのですよと訴えたかったというわけですか?

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そうですね、メイドさんに対する『折檻』は『調教』とかとは意味合いがちがう、そのスタンスの違いをよく表しているのが『ご主人様』『旦那様』なのでは? ということです。

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そこはよく解るんですけどね。
折檻と調教は違う! といっても、かわいいメイドさんをいぢめてみたい、というのはありません(笑)?

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可愛いメイドさんはもちろんいじめたい(笑)です。
でも私の場合、HPにも書いてますが『困らせたい』というニュアンスが強いです。
いわば
好きな子にいじわるする小学生のようなモノでしょうか。(笑)
それをオトナになっても堂々とやりたいだけなのかもしれません。俺ってダメじゃん。(笑)

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あ、私も困った顔好きですよ。
リースの困り顔はたまんないです(^q^)おっと、ヨダレが。

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ま、言ってみればそういう超ソフトSM(笑)には『ご主人様』は似つかわしくないのではないかと。

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私は気が付けば「御主人様」派だったわけですが、別に折檻と調教を混同しているわけではありませんので、そこのところはよろしくお願いします。
ただ、私の理想とする、
「身も心もあなたに捧げます」的なメイドさんには、やはり御主人様と呼んでもらいたい。

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なるほど! 確かにそういうメイドさんには『ご主人様』のほうがイイですねえ。と、いま思いました。
説得力あります。

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「お許し下さい、御主人様」と「お許し下さい、旦那様」では、なんというか「萌え度」が全然違う気がするのです。

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うーん、そこのところに関しては私はやっぱり『旦那様』のほうが……。
主観のぶつかりあいになりますが、『お許し下さい、ご主人様』ではやっぱり『愛情』より『従属』のほうを強く感じてしまいます。
『旦那様』ならそれが和らぐというか。
なんか詩の評論みたくなってきましたが。(笑)

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私は旦那様のほうに従属を感じてしまうんですが・・・(笑)
この前メールでも話しましたが、契約関係上の旦那様とメイドさんではどうしても
ビジネスライクな感じがして入り込めないんですよ。
そうなってくると、ゲームの中でしか成立していないかも知れませんが、
「身請け」という行為によって連れてこられたメイドさんが御主人様と心を通わす、というのがすごくいいと感じるんです。

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とりあえず『お許し』の話は置いときましょう。
身請けのほうが萌える、というそこのところがもう少し詳しく知りたいです。
それは、
身請けのほうが身も心も捧げるメイドさんになりやすい、ということですか?

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うーん、難しいところですねー(笑)。
私にはそう思えるということです。
例えば契約関係でのメイドさんとラブラブ状態になることももちろんあるでしょうが、それだとイマイチ萌えないんですよ。

「不幸度」が足りないといいますか(オイ

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お話を伺っていてだんだんわかってきたのですが、どうやら私ととーめさんとではメイドさんに求めるモノの力点が違うようですね。どちらが良い悪いという話ではなく。
それが『ご主人様派』と『旦那様派』に分かれている原因なのかも……。

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酒井さんはメイドさんに何を求めてるんですか?

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私の場合は、メイドさんに身も心も……というのももちろんありますが、どちらかというとメイドさんと当たり前に過ごす日常、そこでスパイスとして時々困らせたい、みたいな欲求が強いですね。
ぶっちゃけた話、
ラブコメがやりたいと。(笑)

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ラブコメというと、MAID IN HEAVENみたいな?(違うっての)

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メイドインヘブンからSMとパロディ要素を抜いたやつが理想です。
題して『まじめにメイドインヘブン』。
これは売れる!(笑)

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じゃあメーカーはPILじゃだめですね(笑)

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別ブランドがあったはずなので、そこから出してもらえれば……(笑)

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メイドさんとともにただ日常を過ごすというのも、
それはそれで悪くないですね(老後とか(笑))。

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ぜひそんな老後を送りたいものです。

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急がないとお迎えが来ちゃうんじゃないんですかー?(笑)

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酒井は永遠に米寿ですから大丈夫。(笑)
とーめさんはもっとこう、
真剣に愛されたいんですよね。

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そうですね、心から尽くされて、メイドさんにもそれに見合う愛情を注いでやりたい、みたいな(おー、恥ずかしい)

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とーめさんのそのお考えは立派です。私などはナンパな旦那様に過ぎないのかも……。

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いや、どちらがいいというわけじゃないんじゃないですか?
先程酒井さんもおっしゃってましたが。
私も酒井さんの意見を聞いたときは、
御主人様のありかたについて考え直しましたからね。

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やはりそういう『メイドさんの愛し方』に応じて呼び方も適切に変えるのが理想かもですね。
今日の結論は、
『絶愛にはご主人様、ラブコメには旦那様』というところでしょうか。(笑)

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しかしなんだかんだ言っても、ただ単に「御主人様」って呼ばれたいだけなのかもしれないです。なにしろ「萌え度」が違いますから(笑)。

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私も『旦那様』と呼ばれたい、というのが先にあって理屈はあとづけしているだけです。
だいたい、恋愛感情に理屈をつけるのって結局照れ隠しだと思いませんか?(笑)

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しかし、同じメイドさん好きでもずいぶんと違うもんですね。
私の場合は、
ラブコメとメイドさんはくっつかないです・・・。

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というかメイドさんゲー全体がラブコメを拒否しつづけているのだと思います。
申し訳ないのですが、もっと言えば『小鳥』が……。
私がこのまえのメールで言いたかったのはそういうことです。

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小鳥の「罪」の部分というのは、言われて初めて気が付きました。
そんな部分もあったのかと。あれが定説(笑)として固定してしまったのはよくなかった、ってことでしたよね。

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そうです。たとえばさっきのような『メイドさんとラブコメ』という選択肢を消し去ってしまった、という。
ただ、これは『小鳥』だけの責任ではないことは認めないといけないと思います。というか、
後続の作品がだらしなさすぎる。

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今じゃ「調教」という要素は外せないものになっていますもんね。
更に言うと、
メイドさんゲーム全体が、殻の中にとじこもっているのだと思います。その殻を破った、新しいものが出てこないと今の「数打ちゃ当たる」のかたちは打破できないですよ。
みんな「殻の中」の
中途半端なパクリになりさがってしまっている。

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そうですね、まさにその通りです。
我々
(勝手に我々)は、殻を破って飛び立つ雛鳥を求めているのです。
といっても『囀』じゃないですよ。(笑)
たとえそれが危なっかしい羽ばたきだったとしても、暖かく見守っていきたいものです。
……ああ、なんか
まともなこと喋ってるなあ。(笑)
早くそういうゲームが出てくるといいですね。

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もちろん「我々」の意見です(爆)!
まず、
メイドさん=調教という安易なつながりをなんとかしないといけないですね。・・・あ、まるっきりおしおきがなくても困る、どうしよう(笑)。
↑こんなやつがいるからいつまでも飛びたてんのだー!!

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まずは『脱調教・育成モノ』ですね! もーあきあき。(笑)
そういえばメイドさんモノでビジュアルノベルってないですよね。
実は私、
それっぽいやつを作っていたんですが、メールで書いたとおりポシャっちゃいました。(笑)

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ないですねービジュアルノベル。
「お話を見せる」ノベル系だったら、
メイドさんとのラブコメも実現不可能じゃないですね!
純粋にメイドさんの能力を高めるゲームが出てもいいですよね。
もともとエロゲーなんて「なんでもアリ」なんだし。

「メイドスタリオン」みたいな(笑)?

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いやー、私は『メイドスタリオン』やりたくないです。
イベント100連発でもキツイなあ。ていうか
育成もうイヤ。(笑)

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気持ちはわかります(笑)。
私は育成系に手を出す気すら起きなくなってしまいました。
育成ものって、一週間のスケジュールを決めて、あとプラス夜のおつとめも、みたいなのが多いですよね。
既に
メイドさんゲームが飽和状態なのに、これからどうなることやら・・・。

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あと、『おそうじアクション』とかどうでしょう。
ご褒美はメイドさんの困った顔。(笑)

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おそうじアクションだと、それっぽいのが小鳥の羽飾りに入ってましたね。
完全ミニゲームですけど(笑)。

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あっ、羽飾りは持ってないんですが、そんなのがあったんですか!
小鳥で
日常描写をぶったぎったぶん、アクセサリ集で思う存分補完してください、ってことなのかもしれませんね。
これは、独立させて1本のゲームにするしか!(笑)

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ハマリましたよーミニゲーム。
メイドさんが
フォスターめざしてモップ掛けしながら
屋敷の中をのぼっていくような感じのゲームで、
より早くフォスターのもとにたどりつけばいいというだけです。
これが
燃えるんだ(笑)。

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これからはベンチャーの時代です。
メイドさんゲーメーカーの皆さんにも、もっとチャレンジブルなゲームシステムを開発してもらいたいものです。
どうせ
大して売れる数は変わんないし。(笑)

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今なら「メイド」と名前がつけばある程度売れますしね(笑)。

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今年6,7月のメイドさんゲーラッシュはスゴかったですよ。マジで死ぬかと思いました。
あの時期にくらべればブームも一段落している雰囲気ですね。

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そんなにすごかったんですか。
私は、これでも
えりごのんで買ってましたからね(笑)。

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実は買うだけ買ってレビューに書いてないやつがけっこうあります。(笑)
それどころか
やってないのも……。
さて、夜も更けてきましたし、そろそろお開きにいたしましょうか。

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おお、気が付けばこんな時間ですね。
それでは・・・
次回はありますかね(笑)?
私は非常に楽しかったのですが・・・。

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私もいろいろお話できて楽しかったです。
今度は
めがねっこ対談とかどうですか?
私では相手にならないかもしれませんが。(笑)

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眼鏡っ娘では負けませんよー(笑)。

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めがねっこの世界は奥が深いですからね〜。
ぶまひ! さんのHPとか、
信じられない深さです。(笑)
……では、また対談しましょうね。

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ぶまひ!さんとはいぼくさんは、私の眼鏡っ娘方面の目標です(笑)。
それでは、また〜。








対談後記

 さてさて、こうして旦那様と御主人様の主張をたたかわせてみたわけなのですが、 いかがだったでしょう。

 あとから見直すと、 知らず知らずのうちにかなりこっぱずかしいコメントやら、 「萌え度」なんていう言葉がポンポン出てきていて、 「やっぱりやめときゃよかった・・・」なんて思いましたが、楽しかったので全てヨシ。

 『絶愛には御主人様、ラブコメには旦那様』という結論はともかくとして(笑)、 旦那様と御主人様の意見の相違がけっこう見られたりして、なかなかためになりました。

 今まで見えていなかったものが見えた感じ。 多角的にものを見るということは大事なんですね。 このような対談を提案して下さった酒井さんには感謝です。 またこのような対談があれば、今度はもっと掘り下げた議論を交わしてみたいですね。

 この対談の感想とか、「このようなテーマの対談をとーめとしてみたい」という方がいらっしゃれば、 メールなぞを私のところまで。お待ちしております。





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E-Mail: mail@megamaid.jp

















以下は『脚注』です。上のリンクの部分をクリックして下さい。









1.殻の中の小鳥
 おそらく多くの『御主人様』を開眼させたであろう、メイドさんゲームの金字塔。 いままで脇役でしかなかったメイドさんを主役にしたゲームはこれが初めてじゃなかろうか。 少なくともこの作品が以降のメイドさんゲームのスタンスを決定づけたのは間違いない。

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2.GLO・RI・A
 シーズウェアのアドベンチャーゲーム。 シシルさんとリサさんというメイドさんがいらっしゃった。

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3.酒井さんのHPを拝見してから
 酒井氏のHPの主張によると、「主とメイドさんとの関係は、 対等ではないが完全に隷属しているわけでもない。 そこを表現しているのが『旦那様』という言葉で、 『御主人様』だと旦那様とメイドさんの関係が主人と奴隷のそれに単純化されてしまう」 そうである。なるほど確かに。

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4.リースの困り顔
 言わずと知れた「殻の中の小鳥」に出てくる眼鏡っ娘メイドさん。 とーめの理想のメイドさん(笑)。 ゲーム内では常にいっつも困り顔です。いつ、いかなるときも。 もうたまりません。はふん(悦)。(←駄目人間)

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5.ゲームの中でしか成立していない
 普通メイドさんは『身請け』なんかではお屋敷に来ませんし、 お金でモノのように買い入れられたりしませんわな。 しかしそのことを酒井氏にメールで指摘されるまで気が付かないというのはいかがなものか(笑)。

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6.MAID IN HEAVEN
 ただ単にメイドさんにいろいろしてしまおうというスタンスで作られたえっちゲーム。 メーカーがPILだけに、あんなシーンやこんなシチュエーションがてんこもりである。 幼なじみに「俺はメイドさんが好きだ」と言っておけば、 成長した彼女がメイドさんになってアパートにやって来るそうです。 ぜひお試しあれ(笑)。

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7.小鳥の「罪」の部分
 「殻の中の小鳥」がなまじっかヒットしてしまったために、メイドさんを身請けし、 育成(調教)して、(主に夜のおつとめが)優秀なメイドを育て上げる、 というゲームシステムが一般的になってしまったということ。 それによって、「メイドさんゲームはこうあるべきだ」というような、 変な一般常識が出来上がってしまった。 「殻の中の小鳥」がメイドさんゲーをメジャーにしたと同時に、 後続のゲームの形式をも決定づけてしまったというのはなんとも皮肉なものである。 「小鳥」全肯定なとーめはそんなことに気付くはずもなく、 これを指摘したのも酒井氏。 酒井氏の「このまえのメールで・・・」というコメントはこの部分の話。

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8.「殻の中」の中途半端なパクリ
 今のところメイドゲーで「殻の中の小鳥」「雛鳥の囀」 を越えるゲームシステムに出会ったことはありません。 よくあるのが一週間単位でメイドさんのスケジュールを決めて能力値をアップさせる形式のものなのだが、 そんなの面白くもなんともありません。

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9.小鳥の羽飾りに入ってました
 メイドさんアクションゲーム(?)「UPUP(あっぷあっぷ)」のこと。 どうやらWIN95専用っぽいのが残念なところ。 とーめのマシンはいまだ95なのでばりばり動く。 この話が出て、久々にプレイしてまたハマった(笑)。

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10.燃える
 ゲームシステムは単純ながら、タイムアタックが異様にアツい。 一時期とーめ宅では熾烈なバトルが繰り広げられていた。 「どなたか、『UPUPタイムアタックコンテスト』って主催してみませんか?」

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11.ぶまひ!さんとはいぼくさん
 ここで今更補足するまでもない、眼鏡っ娘HP界の両巨頭。 ぶまひ!さんの「ぶまひ!の眼鏡っ娘の部屋」、 はいぼくさんの「めがねがね」、 ともにとーめのような若輩者では手が届かない高みにおられます。 余談ですが1999年の夏コミでお2人にお会いできました。ともにナイスガイでした(笑)。

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